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「何をよ…?」
清司はハァとためいきをついて私を見つめた。
目をそらしたくなるほど真剣な眼差しに私はうつむいてしまった。
「これまで殺されてきた奴らとつるんでた女どもに聞いたんだよ。全部。三依が殺人ゲームの主催者ってことも……お前が…」
清司が息をすった。
そして静かな声で…
「お前が…最後の犠牲者になるってことも。」
「うん。だから?アンタに何ができんのよ。」
ガタン…ガタン…
!?
「美幸ッ!!!!」
ガシャンッ
何が起こったのかまだわからない。
でも頭から血を流す清司がそこにいることだけは理解できた。
「清司!」
「ただデコ切っただけ。なんで上からビンなんて落ちてくんだよ。」
…予兆だ。もう少しで殺人ゲームがフィナーレを迎えるんだ。
「清司…もう私に関わらないで。」
清司は額から流れる血を拭って笑った。
「何がおかしいの?ワケわかんない。」
「いやいや、馬鹿じゃないのお前?」
馬鹿はお前だろとか思ったけどここはちゃんと聞こう。
「なにがよ?」
「三依の仕業だろ?じゃあ俺らで終わらせればいいじゃん。」
清司はにやりと笑みをうかべ私に軽くデコピンをした。
「殺人ゲームを終わらせる。俺は命をかけてお前を守る。お前を…死なせない。」
どき…どき…私になんでそこまでできるの?
胸の鼓動が早くなる
「…私も全部聞いたよ。」
壁の隙から早織が出てきた。
「次の犠牲者がでるまえに…美幸を死なせないために…私も手伝うよ。」
清司が笑う。
早織が微笑む。
そして…
今まで1人で恐怖と闘っていた私が初めて涙を流すのを
綺麗な月が照らした。
今から始まる。
殺人ゲームを必ず…
阻止させる。
『……サセテタマルカ…』
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