怨み

4/4
前へ
/17ページ
次へ
「何をよ…?」 清司はハァとためいきをついて私を見つめた。 目をそらしたくなるほど真剣な眼差しに私はうつむいてしまった。 「これまで殺されてきた奴らとつるんでた女どもに聞いたんだよ。全部。三依が殺人ゲームの主催者ってことも……お前が…」 清司が息をすった。 そして静かな声で… 「お前が…最後の犠牲者になるってことも。」 「うん。だから?アンタに何ができんのよ。」 ガタン…ガタン… !? 「美幸ッ!!!!」 ガシャンッ 何が起こったのかまだわからない。 でも頭から血を流す清司がそこにいることだけは理解できた。 「清司!」 「ただデコ切っただけ。なんで上からビンなんて落ちてくんだよ。」 …予兆だ。もう少しで殺人ゲームがフィナーレを迎えるんだ。 「清司…もう私に関わらないで。」 清司は額から流れる血を拭って笑った。 「何がおかしいの?ワケわかんない。」 「いやいや、馬鹿じゃないのお前?」 馬鹿はお前だろとか思ったけどここはちゃんと聞こう。 「なにがよ?」 「三依の仕業だろ?じゃあ俺らで終わらせればいいじゃん。」 清司はにやりと笑みをうかべ私に軽くデコピンをした。 「殺人ゲームを終わらせる。俺は命をかけてお前を守る。お前を…死なせない。」 どき…どき…私になんでそこまでできるの? 胸の鼓動が早くなる 「…私も全部聞いたよ。」 壁の隙から早織が出てきた。 「次の犠牲者がでるまえに…美幸を死なせないために…私も手伝うよ。」 清司が笑う。 早織が微笑む。 そして… 今まで1人で恐怖と闘っていた私が初めて涙を流すのを 綺麗な月が照らした。 今から始まる。 殺人ゲームを必ず… 阻止させる。 『……サセテタマルカ…』
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加