現在

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そしてこの日は、未来予想通り買い物をしてぶらぶらした。この行動が正しいかだなんて俺にはわからない。 カップル達が行き交うショッピングモール前。辺りはすでに日が暮れていてるが、ざわめきは依然と残っている。 「駅まで送るよ」 「ありがとう」 いつも定番のように彼女を最寄り駅まで、送り届ける。幸い高校が同じで、自分の家と数駅離れているだけである。 俺は心配だったのだ。彼女が何かに襲われたりしないだろうかと……。その時は未来予想があるから大丈夫かなと思ったが心配だった。 電車の中。今まで黙っていた美穂が、自宅の最寄り駅に近付いたとき、口を開いた。 「今日……少しだけ家に来ない?なんか胸騒ぎがして……」 俺はいつもと違う不安げな表情をした美穂をほっとくわけにもいかず、黙って頷いた。
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