プロローグ

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私は墓場の前で一人、涙を流しながら佇んでいた。そして私は両手を胸の前に合わせてこう呟く。 「これが最期の予言になりますように」 か細い声で放たれた声は、消えてしまいそうだった。 空は澄んだ青色をしていて、何もかも見透かしてしまいそうな空。 私以外に墓場への来訪者は居らず、墓場には寂しい雰囲気が漂っている。そして、時折乾いた風が私の髪をなびく。 私は目の前にある墓石を少し眺めた後、来た方向を戻るように足を運んだ。 俯きながら歩いていると、前から声が聞こえたので顔を上げる。 するとそこには高校時代の後輩が立っていた。
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