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次の日。朝クラスに行き、早くも孝夫に近づいて行った。
「なんだよ、急に……。にやけてんなぁ……まさか」
孝夫の想像通りと察した悠生は無言で頷いた。
「ヤバい……好き過ぎる」
自分でも顔がにやけているのは、わかった。頬が熱く、美穂以外頭に入らない。
「早いなぁ……確かに魅力的だけどなっ」
孝夫が邪魔な前髪を手でよけながら言う。
「ところで美緒さんはどんな人?」
「あぁ……。結構物静かでさ、性格は真反対って言ってもいい。でも不思議な力のせいか仕事勝手がいいんだよ」
「へぇ……」
双子の美緒は、大人びた雰囲気を持ったどちらかというと控え目で謙虚なタイプだった。
妹の美穂が活発的過ぎるせいか、やけに静かに感じた。
でも姉の方が不思議な力に優れていると、噂で聞いたことがある。正直未来が見えたらあまり関係ない気がした。
チャイムが鳴りクラスメイトが席に着く。一時間目の授業が開始した。
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