プロローグ

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「先輩大丈夫ですか……?」 悲しげな表情で後輩が声を掛ける。 「うん……私としてもこうなることはわかってたから……」 そう前からわかっていた。それを伝えたのも良かったのかどうかも定かではないが、私は良かったと思う。 「そうっすよね……俺も友達だったから……」 後輩もそう言うと目に涙を浮かべた。偽りのない優しい目だった。 「ありがとう……。きっとお墓の中で喜んでる」 そう。きっと喜んでいるはずである。だから伝えたんだ。 「良かったら先輩もう一度一緒に行きません?」 彼が無邪気に鼻を啜りながらそう言ったので、迷わず私は無言で彼の言葉に従った。
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