過去

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先生が説明しているのは、今年から変わったルールや新しい競技についでだった。それに対して悠生達は案を考える。そんな感じで会議は進む。 「先生」 先生が話している最中に美穂が、手を挙げた。 「なんだ?質問は後に伺いたいのだが……」 中断したことに不満を抱き、首を傾げる先生。 「私たちが話すべきことって、そうゆうことだけなんですか?正直時間の無駄に感じるんですが」 席を立つ美穂に、周りが注目し、発した言葉に驚きを隠せない。 「どうゆうことだ?」 「つまり、私たちだけで案を出しても仕方ないんです。在学生の意見を取り入れないと、こんなの独断に過ぎないですよね。正直時間の無駄だと思いますよ」 美穂の言葉に先生は、怒りを露わにする。しかし美穂がここまで真剣に考えてるとは驚きだった。 「時間の無駄だと思うなら帰れ!」 先生が隣のクラスにまで聞こえそうな声で、美穂に怒声を浴びせた。 それを聞いてか美穂は鞄を手にして勢いよくドアを閉め、出て行く。 悠生は追うか追わないか迷った。しかし、悠生にはそんなことできる勇気はなかった。 静まり返った教室には、走り去って行く美穂の足音だけが聞こえていた。
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