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「ふぅ、これで完了っと。」
荷物は全てボストンバッグの中に収納した。意外とかさむもんだ。
「ねぇ、ところでさあ。」
旅支度が完了したオレにタカが話しかけてくる。
「なんだ?お前の第一印象か?それはな………スゲー地味な名前。」
"加藤高史"なんてネット検索したら軽く千件越えしそう。
「そんなことは聞いてないし知ってるよ!親に言ってよ! …じゃなくてリンの家まで何で行くのさ。けっこう距離あるよ?それに………いるし。」
そうなのだ。
外は彼らのテリトリー。完全にアウェイなわけである。ちなみに、今朝オレがハリウッドの特殊メイク説をひっさげて「へろう、えぶりわん」と、ファーストコンタクトを試みたところ、危うく彼らのブレックファーストになるところだった。
正直ちびった。だってみんな目がガチなんだもん。
なのでオレは考えた。
「クルマを使うぞ。」
「まじ?」
「あぁ、親父の4WDがある。」
「免許は…?」
タカが恐る恐る聞いた。
「知恵と勇気でカバーだ。」
「そんなのでカバー出来たら教習所なんてものが成立しないよ…」
不安満載なタカを連れてオレ達は意気揚々と玄関のまえに立った。
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