[ただ手をあなたに伸ばして]

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20XX年4月 姫神 樹[ヒメガミ イツキ]は某産業高校に入学した。 産業高校とは工業科と商業科が併設されている高校のことである。 樹は工業科だった。 入学式が終わり初めて高校の机に座った。 予想通りクラスは男だらけだった。そしてやがてクラスメートの自己紹介が始まった。 クラスメート達は出身校や趣味、特技や中学校の時に所属していたクラブなどの話しをしながら皆、緊張しながら自己紹介をしていた。 樹の順番になり、立ち上がった。 「姫神樹、○○中学校出身、趣味・特技なし」 と言うと樹は椅子に腰を下ろした。 教室が何とも言えない空気に包まれた。 樹はクラスメートと仲良くする気がなかった。樹はこの世界に飽きていた。
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