腕
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その頃の村には変わり者の王がいた。「二本の腕では何かと不自由だから」王は三本目の腕を常日頃から欲していた。 だって二本の腕ではコーヒーを片手に本を持ったらいっぱいだ。ページを捲る腕が欲しい。パソコンのキーボードを打つだけでいっぱいだ。マウスを操る腕が欲しい。 そんな変わり者の王だったが、そんな願望はいつしか村全体に広がり、王は変わり者と呼ばれなくなった。
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