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そこで、過去の回想を打ち切ると、蛍は再びステージに目を向けた。
箱には左から1、2、3、4、5と数字が書かれているのだが……。
やはり、あの数字にも何かしらの意味があるのだろう。
「では、皆さん、ステージの箱に書かれている中から好きな数字を思い浮かべて下さい」
再び解説が始まった。
真面目に裏をかこうとする人、適当にやる人、様々な種類の人が見受けられる。
蛍は面倒くさそうにパンフレットに小さく1と書いた。
「では、浮かんだ数字を二倍して下さい」
隣に2と書く。
「次に二倍した数字に4を足して下さい」
――6っと。
「そして、出た数字を半分にして元々の数字を引いて下さい」
3引く1……2かな?
そこで改めてステージを見た。
ステージ上の箱をなんともなしに見る。
「では最後に出た数字の箱に皆の念を送って下さい」
蛍は馬鹿馬鹿しさ半分で『2』の箱をぼんやりと眺める。
すると、次の瞬間、『2』以外の箱が燃え上がった。
ステージが一瞬、橙色の炎で照らされ、一瞬で燃え尽きる。
残った『2』の箱が皆の視線を集める。
パチン
拡声器越しに、指を鳴らす音が響き、『2』の箱が燃え上がった。
火が上昇すると共に、紙の壁を炎のカーテンが捲りあげる。
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