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「ミステリー研究会ではこのような不自然な世界に興味ある人を大募集! 入会には、ちょっとしたテストが有るけれど、一目でいいから見に来てね」
そう言うと、軽くウィンクをした後に、笑顔でステージから降りて行った。
彼女の退場が男子からの割れんばかりの拍手で送り出された事は言うまでもない。
おそらく、拍手の量だけならホスト部が退場した時の女子の拍手の量と互角だろう。
結局、人間。そっちの感覚が先走るのだろう。
そんな事をうっすらとやけに冷めた頭で考える、柳杖寺蛍だった。
「いやぁ、お前があんなにセンス良いとは思わなかったよ」
教室に向かう道すがら、俊介が話しかけて来た。
何が嬉しかったのか、その顔はひどくニヤニヤしている。
「いやぁ、野球部の大リーグボール五百四十七号も凄かったけどさぁ、
まさかお前があそこまで情報が早いとは思わなかったよ」
何が言いたいのかわからない俊介に対し、蛍はいぶかしむ様に顔を見た。
「だってお前、あの人が居るって知ってたんだろ?」
「――ッ」
蛍は思わず吹き出しかけた。
何も飲んで無いけどね。
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