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「いやぁ、その……、凄い列だな」
時は放課後、目の前には長蛇の列。
蛍はその列の最後尾に並びながらつぶやいた。
列の先に有るのは特別体育館。
通常の体育館の隣に有る小さな建物だ。
受験の時に願書の受け付けをこの建物でやっていたのを覚えている。
俊介の話では、合宿で此処を使う事も少なくないらしい。
要するに、居住能力を持った小さな体育館といった所か。
そこに出来ているこの列は先程から噂の『ミステリー研究会』ヘの入会希望者が作っていた。
入会に簡単なテストが有るとかで皆して閉め出しをくらい、仕方なく列を作っているのである。
俊介は「クラスの奴が場所を取っておいてくれたから」と言い残し前の方に行ってしまった。
なんて奴だ、今度ジュースを奢らせてやる。
「さて、どうするか……」
縦横共に大中小、金髪ロン毛にオカッパ眼鏡、かなりのバリエーションに富んだ人物が並んでいる。
ただ、一つ共通して言えるのは皆、『ミステリーに興味が無さそう』という事だ。
まぁ、大半の考えは大体想像がつくが……。
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