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駅に着いた途端私はすぐさま切符を買い,駅のホームまで無意識に早歩きしていた。
エスカレーターの途中自分の荷物につまづき,こけそうにもなった。
それでも私は早く待ち合わせ場所に行きたかった。
きっと懐かしの友に会いたいという気持ちが,こんなにも私を急がせたのだろう。
ホームにはすでに電車が来ていた。
大きな水色の旅行バッグを両手に持ちながら,電車に乗り込む。
と同時に,プシューと音をたてながら扉が閉まった。
どうやらギリギリだったらしい。
私は席には座らず右の壁に寄り掛かりながら,ドアの前でじっと立っていた。
窓から見える懐かしい風景は私に心地よい緊張を与える。
友達の成長ぶりを一人一人脳内の現在予想図に描きながら,来たる場所まで静かに時を過ごすことにした。
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