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その僕の叫び声を聞いて、海斗が洗面所へと向かってくる。
「お、おい! 何だ、どうしたんだ! 返事をしろ、蛍!!」
「ッ……あ、うん。だ、大丈夫……みたいだ」
奇妙な感覚がおさまっていく。
あ、あれ……?
さっきまで、あんなに体が熱かったのに……。
不思議に思いながらも、僕は床から起き上がって、洗面所のドアを開けた。
バンッ!!
「痛ッ!!」
「あ、ごめんっ!」
洗面所のドアを開けた際に、ドアの前にいた海斗に勢いよくぶつけてしまう。
「……だ、大丈夫か?」
頭を押さえながら、床にしりもちをついた海斗に手を伸ばした。
「あ、ああ。平気、平気! 大丈夫………え――?」
海斗が驚いた顔で僕を見つめる。
なんだ、その変なものを見るような目は……。
僕の顔に何かついているのか……?
「どうしたんだ? 海斗」
僕は海斗の手を引っ張って、体を起こしてあげようと……――
……ん? あれ……?
力が……入らない……。
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