3633人が本棚に入れています
本棚に追加
バチンッと、意気のいい音がなる。
「っ~~~!」
僕のデコピンは結構痛かったらしく、海斗は額を手で押さえながら、僕の方を見た。
「な、何するんだよ!」
「だって、返事がなかったし」
「返事をしないからって、いきなりデコピンかますなよ……! はぁ……、なんか蛍、壮士さんに似てきたな」
「いやいや……あんなアホな兄さんと一緒にしないでくれ」
僕の言葉に、あははっ、と笑う海斗。
……どうやら、デコピンのおかげか、すっかり元気になったようだ。
良かった、良かった!
「さて……蛍」
いつもの元気な顔に戻った海斗が、僕に満面な笑顔を見せる。
……不気味なくらいに。
「な、何? 海斗」
僕がそう聞いた瞬間、海斗の口元がニタッと、嫌な笑みを浮かばせていた。
……ああ、あの嫌な予感がしてきた。
「デコピンの仕返しとして……とりあえず、脇こちょばし百秒な!」
「ちょ、待って! 海斗、落ち着いて!」
「ふっふっふ……!」
海斗が嫌な笑い声を上げながら、僕に迫ってくる。
最初のコメントを投稿しよう!