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「ひぃ……っ、く、来るな~~~っ!」
僕は迫ってくる海斗から逃れるために、海斗を突き放すように後ろへ強く押す。
だが、今の僕は女の子。
押す瞬間に、海斗に両腕を掴まれて、そのまま、ソファーへと押し倒される。
「きゃあ……っ!」
ソファーへ、強く押し倒されて、声が出てしまう。
幸い、ソファーのクッションが利いていたために痛みはなかった。
海斗は僕の肩の傍に手をついて、僕の体に上乗りするような状態でいる。
「いってー……!」
足に負担を掛けてしまったのか、海斗が痛がる素振りを見せた。
「だ、大丈夫……?」
僕は心配そうに聞いてみた。
……って、自分が危うい中、海斗を心配する僕って一体……。
「あ、ああ……平気だ……、……ぁ……」
何故だか、海斗の言葉が途切れていく。
その目が大きく開かれ、眼孔が細くなり、頬に少し赤みが増してきている。
「……どうか……した?」
「いや、その……えーと……」
海斗の顔色を見ながら、不思議そうにする僕に対して、海斗は口ごもるように言う。
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