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「そ、そんな事言われても、俺だって、この体勢は……っ!」
怪我した足が痛むのか、海斗が苦しそうな声で言う。
一方、僕は海斗の足に責められていた。
絡み合う足がくすぐったくて、海斗の腕を掴んだ力が強まってしまう。
「はぅ……っ、か、海斗……っ」
「ちょ、そんなに腕を掴まれたら、力が出な……――っ!」
海斗の腕がピクピクと震えている。
「っ……蛍!」
海斗が僕の名前を言った瞬間、海斗の腕がソファー崩れ落ちる。
そして、支える部分を失った海斗の体は、真っ直ぐに僕へと落ちていく。
あまりに突然だったので、僕は目を瞑ってしまった。
「ん……」
何か暖かい感触が口元に触れた。
すごく柔らかい感触が唇を包み込んでいく。
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