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……この感触は、一体?
目をゆっくり開けていくと、海斗の顔が目の前にあった。
「っ……!」
海斗は声にもならない声を出して、驚愕した表情で僕を見ていた。
唇が熱い。
少し動かすだけでとろけるような柔らかい感触が形を変えていく。
例えるなら、マシュマロみたいだ。
……なんだか、すごく、心地よい気分に浸ってしまう
――あ……れ? これって?
柔らかい感触がだんだんと遠のいていく。
遠のいていくにつれて、それが何だったのかが、わかってしまった。
「あ……えぇ! か、海斗?」
「…………」
僕の驚く声に黙ったまま、海斗は僕をじーっと、見つめていた。
頬は真っ赤に、唇は少し震わせている。
その仕草に、僕は思わず目を逸らしてしまった。
なんというか、今一瞬、海斗が子犬のように見えたのだ。
直視していたら、間違いなく心がおかしくなっていたと思う。
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