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「んん~~~ッ!!」
いつもなら、片手で引っ張っても起こせるのに……。
あれ? なんで……?
「んん~~~~~~ッ!! う、うわっ……!!」
思いっきり手を引っ張っても起こせないどころか、僕が海斗の方へと倒れこんでしまった。
ムニュッ!
……え? ムニュッ……?
異様な感覚が体中からする。
というか、ムニュッ……ってなんだ?
それに胸の辺りが妙に重く感じる。
これは一体……。
「えーと、キミは蛍……なのか?」
海斗が意味不明な事を言いだす。
なんだか、顔が赤くなっているが……。
はぁ~……。
こいつは親友の顔を忘れたのだろうか?
「そうだけど……。海斗、僕の顔を忘れたの?」
「え、いや……。本当に……蛍…なんだよな?」
……だから、なんでそこでまた聞き返すんだ?
「はぁ~……本当だよ。僕は正真正銘、伊藤蛍だ」
「…………」
依然として、疑った顔で僕を見る海斗。
……こいつは僕をからかっているのだろうか?
そうなのか? ……いや、そうだ!
きっと、僕をからかっているんだな!
そうだ、そうに違いない!!
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