【えくすとら】 海斗の気持ち

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  「事故だから。だから、……気にしないで」   淡々と言われたその言葉に、何故か胸が、チクリと痛んだ。  ……どうしてだろう。 「気にしないで」と言われて悲しんでいるのか、俺は……?     「海斗、……聞いてる?」   自分でもわからない複雑な感情が頭の中で入り乱れる中、蛍の顔が目前まで迫り、目がぴったりと合ってしまう。   「な……っ!」   上目遣いをして、俺を見る蛍の姿に、胸の動悸が更に激しくなっていく。       ――なんで、俺……こんなに動揺しているんだ……っ! 蛍は、男なのに……! 男なんだぞ、蛍は……!!         「海斗……?」   蛍が不思議そうにして、俺の名前を呼ぶが、その呼びかけにどうしても反応する事ができない俺がいる。   頼むから、そんな目で見ないでくれ……と、そう言いたかったが、それを言えば蛍に確実に怪しまれてしまう。   キスをした直後だ。 そのせいで多分、俺は今、蛍に対して変な意識を持っているんだろう。 時間が経てば、この気持ちもすぐに冷めてくれるはずだ。   そうだ……。 きっと……そうに違いない!  
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