温もりハンバーグ

2/39
前へ
/161ページ
次へ
  授業のチャイムが鳴り、休み時間を終えた生徒達は席についていく。 当然、僕も……。   六時間目の最後は現代文だ。 僕は鞄から教科書を出して、机に置いた。 さりげなく、後ろを見てみる。   「……」   後方の席に座っていた海斗が、先ほどの時間からずっと僕を見つめている。 だが、僕が振り返り、目が合うと、すぐに窓側に顔を逸らしてしまう。   「……はぁ~……」   さっきから、ずっとこの調子だ。 ……非常に辛い。 やっぱり、さっきの保健室での事を相当気にしているのだろうか?   なんだか、かえって意識されると余計に気まずいんだけどな……。     はぁ……。     ……保健室では、なんとか澄ました顔でいられたが、内面はまったく逆だ。   実を言うと、あの時かなり動揺していたのだ。     「あー……はぁ」   思い返すだけでも、ちょっと恥ずかしい。   そして虚しい。   ……うぅ。  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加