温もりハンバーグ

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  放課後、僕は兄さんに呼ばれて生徒会室へと向かった。     何か話す事があるって言っていたけど……。     ……話って何だろう?     兄さんの事だから、ろくな事じゃないだろう。 まぁ、海斗と顔を合わせずにすむので助かったといえばそうなのだが……。     生徒会室の前に立ち、ドアを軽くノックする。 数回ノックした後、女性の声が聞こえた。   「どうぞ。入りください」   「あっ、はい」   僕は優しそうな女性の声に誘われて、ドアを開けた。 少し軋んだ音をたてながら、ドアを開いた。    室内に入って見てみると、生徒会室には、長机が縦横に二つずつ並べられている。 それぞれの役員の席だろう、椅子の数は九席あった。 隅っこには、過去の学校のファイルが本棚にびっしり収まっていた。 その右には、幾つもの優勝トロフィーがガラスケース内に飾られている。 長机の一番奥の椅子に座っていた兄さんが、僕を待ちわびていたかのように喜んでこちらを見ていた。   また、兄さんの座る席の隣にはさっきの声の主であろう、綺麗な女性が立っていた。  
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