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「あ、いえ……。ありがとうございます」
助けてくれたお礼を言いながらも、僕は彼女をまじまじと見ていた。
和服の似合いそうな清楚正しい雰囲気を漂わしている。
見つめていると吸い込まれてしまいそうな黒い瞳に、腰まで掛かった黒い髪。
整った顔つきで凛としたその体は、大和撫子を連想させてしまう。
見とれてしまう程、綺麗な女性だった。
「自己紹介がまだでしたね。私は早瀬愛莉<はやせあいり>、会長と同じく二年生よ。よろしく、伊藤さん」
「よ、よろしくお願いしますっ」
綺麗なお辞儀をされて、僕も慌ててお辞儀を返した。
「そうそう。早瀬君は生徒会の副会長だからね」
兄さんが話に割って入ってくる。
なるほど、早瀬さんは生徒会の副会長だったのか。
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