温もりハンバーグ

15/39
前へ
/161ページ
次へ
  話が片付いた後、僕は兄さんと一緒に下校する事となった。 さっきから、カラスの鳴き声が何度も聞こえてくる。 あの話の後、兄さんのせいで無駄に時間が掛かってしまい、もう外は夕暮れに変わっていた。   「それにしても、綺麗な人だったね。あの人」   僕は、兄さんに早瀬さんの話題を振ってみた。 兄さんは、あまり興味なさそうな顔で前を向いている。 兄さんの口が開く。   「ああ、早瀬君か。去年の学園祭のミスコンで一位だったからなぁ~、彼女」   「へ、へぇ~……そうなんだ」     ミスコンって……。   学園祭ではそんなくだらない事もしているのか。 まぁ、あの人がそのミスコンとやらで一位だったのは、納得するが……。     「蛍も今年のミスコンに参加してみたら、どうだい!?」   「却下します」  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加