温もりハンバーグ

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スーパーから出る頃には、もう日は沈んでいた。 少し、長く居すぎたかな。 「すっかり暗くなっちゃったね」 「そうだなぁ~!」 「ごめんね、買い物持たせちゃって」 兄さんの手にはさっきスーパーで買った食材、それが入ったビニール袋が持たれていた。   「軽いし、別に大丈夫だからな。気にするな!」   兄さんは首を振りながら、笑って言った。   「それに、まぁ兄貴だし。当然の事だよ」   本当に……、当たり前のように言ってみせる兄さんの昔の記憶が重なる。           “僕は君のお兄ちゃんなんだから。当たり前だよ”           昔、兄さんがよく口癖ていた言葉だ。  
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