温もりハンバーグ

21/39
前へ
/161ページ
次へ
  「お兄ちゃんは……どうして僕にこんなに優しくしてくれるの?」   『どうしてって言われてもなぁ~』   「ねぇ、どうして? どうしてなの?」   『だって、放っておけないだろ? 俺は君のお兄ちゃんなんだから。当たり前だよ』   あの時、兄さんが僕に言ってくれた言葉は凄く嬉しかったのか、今でも一言一句声まで憶えている。                     「あの頃の兄さんは、本当に優しかったな~」   過去を思い返しながら、僕はボソッと呟いた。 それが兄さんの耳に聞こえていたらしく、反論してくる。   「……おいおい! あの頃だけじゃなくて、今もだろ?」   「さぁ、どうでしょうね。兄さん」   からかうような口調で兄さんに答える。 あの頃と比べたら、確かにアホになった(おかしくなった)部分はある。 直して欲しいんだけど、でも。  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加