3633人が本棚に入れています
本棚に追加
「お兄ちゃんは……どうして僕にこんなに優しくしてくれるの?」
『どうしてって言われてもなぁ~』
「ねぇ、どうして? どうしてなの?」
『だって、放っておけないだろ? 俺は君のお兄ちゃんなんだから。当たり前だよ』
あの時、兄さんが僕に言ってくれた言葉は凄く嬉しかったのか、今でも一言一句声まで憶えている。
「あの頃の兄さんは、本当に優しかったな~」
過去を思い返しながら、僕はボソッと呟いた。
それが兄さんの耳に聞こえていたらしく、反論してくる。
「……おいおい! あの頃だけじゃなくて、今もだろ?」
「さぁ、どうでしょうね。兄さん」
からかうような口調で兄さんに答える。
あの頃と比べたら、確かにアホになった(おかしくなった)部分はある。
直して欲しいんだけど、でも。
最初のコメントを投稿しよう!