温もりハンバーグ

22/39
前へ
/161ページ
次へ
  ……それでも、根っこの部分は全然変わっていない。   あの頃のままの兄さんなんだ。     「ねぇ、兄さん」   「な、なんだよぉ~」   兄さんは顔をむくれながら、そっぽを向いていた。 その姿がまた、面白おかしくて、つい失笑してしまう。 ふぅ、本当に困った兄さんだ。   「兄さん、ついでだし、今日の夕飯の食後にデザートでも作ってあげようか?」   「さすが、マイシスター!! 愛してるぅうううう~!」   「兄さん……別に愛してくれなくてもいいです」   「はっはっはっはっは!」   「はぁ~、またすぐに調子に乗るんだから」   「調子に乗るのが、この俺、壮士さんだからな! ……それにしても、蛍の胸やわらかかったなぁ~っ! あの時の感触がまだ、手に残っているぞ! ムニュムニュしたあの感触……たまらんっ!!」   「ばっ、ばかっ! 兄さん、不潔ですよっ」   「いやぁ~! あのマシュマロみたいな弾力がまた、最高だぞぉおおおー!」   「……あぅ。もう、デザートもハンバーグも作らないでおこうかな……」   「蛍様、すみませんでした! 俺を許してください!!」   「……ぷっ、あははっ! 冗談だよ、兄さん」   「なぁ~っ! くそぉ~! 図られた~!」   「えへへっ。兄さんのばーか」  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加