温もりハンバーグ

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  兄さんをチラリと見ると、隣で肩までつかってゆったりしている。 まぁ、なんとも気持ち良さそうな表情をしているものだ。   そんな表情を隣でされるとこっちまで気が緩いでしまうじゃないか。   一応、念には念を入れてずっと気を張っていたのにさ。     「……珍しいです」     僕は少しムスッとした感じで兄さんに話しかけた。     「ん~と、何が?」   兄さんは僕の表情の変化に気付いてか、少し遠慮気味に答える。   「最近までの兄さんの変態ぶりをよく見ていたので、この状況で何かまたセクハラまがいな事でもするのかなぁと思っていたのに、何もせずに普通な態度を取っているので」   「いやいやいや! だって、何か手を出したら包丁で指先をぶすっと刺されるだろ、俺」   「あれは冗談です。……まぁ、本当にセクハラ行為をしてきたならする……かもしれませんけど」   「ほら~、やっぱりじゃないか」   「……セクハラをする方が悪いので僕は悪くありません。そんな僕が悪いような事言わないでください」   「ん~、適度なスキンシップのはずなんだけどなぁ~」       ……どこからどう見たらスキンシップに見えるのだろうか。    お尻を触ったり、胸をつんつんと突いたりと、やっている全てが中年親父のセクハラ行為と同じだよ? きっと、兄さんはそこの所をちゃんと自覚できていないのだろう。       ……ああ、本当に残念な人だ。           それにしても、なんか、熱いぞ。   身体もだが特に顔全体が熱く感じる。 身体も少し重く感じてきた。         これって逆上せそうな状態じゃ……。            
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