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……アイツの家に入って、まず何て声かけるんだ?
下手な言葉をかけても余計気まずくなるだけだし。
この土壇場で俺は、いわゆる草食系な思考に陥ってしまった。
……過去に何回か女の子に告白された事はあったのだが、恋愛とか付き合うという事に興味がなかったため、全て断ってしまった。
そのために、女と付き合った事はなく、女の事はよくわからない。
…いや、そもそも蛍は男だし、別に問題はないはずだ。
アイツ自身、それは自分でも口に出していた。それに蛍も女扱いされるのは嫌なはず。
「――そうだ、アイツは女じゃない。女なんかじゃない!」
そう自分に言い聞かせながら、蛍の家の正面玄関の前へと立つ。
そして、勇気を振り絞って、ドアホンのボタンを押した。
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