【えくすとら】 海斗の戸惑い

3/6
前へ
/161ページ
次へ
  ……アイツの家に入って、まず何て声かけるんだ?      下手な言葉をかけても余計気まずくなるだけだし。     この土壇場で俺は、いわゆる草食系な思考に陥ってしまった。   ……過去に何回か女の子に告白された事はあったのだが、恋愛とか付き合うという事に興味がなかったため、全て断ってしまった。 そのために、女と付き合った事はなく、女の事はよくわからない。     …いや、そもそも蛍は男だし、別に問題はないはずだ。   アイツ自身、それは自分でも口に出していた。それに蛍も女扱いされるのは嫌なはず。       「――そうだ、アイツは女じゃない。女なんかじゃない!」           そう自分に言い聞かせながら、蛍の家の正面玄関の前へと立つ。   そして、勇気を振り絞って、ドアホンのボタンを押した。  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加