3633人が本棚に入れています
本棚に追加
ピンポーンと聞きなれた音が鳴る。
しかし、ドアホン越しからの反応が感じられない。
もう寝たのかなと思い、携帯の画面で時間を確認するが、まだ九時前。
普段の蛍なら起きている時間なのだが、どうしたんだろう。
念のためにアイツの携帯電話に掛けてみる。
俺は空いた片手をポケットに突っ込んで、電話帳から蛍の名前を選び、通話ボタンを押した。
プルルルル、プルルルルと電話の通話音が数回鳴った後、留守番サービスセンターの方へ飛ばされた。
今日あんな事があったからか、早く寝たんだろうか。
……ありえない話ではないし、やっぱり今日の所は帰るべきかな。
そう思って振り返り、来た道を戻――
――ガラッ
「ちょっとまって! 海斗!」
戻ろうとした時に蛍の呼び声が後ろから聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!