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悠長に考えている暇などない。
一刻も早くあの変態を永遠に黙らせねば、本当に僕の貞操が危ない。
いい加減に目を覚ませ、兄さん。
こっちは突っ込むのもしんどくなってきたぞ。
……ってか、そんなはしたない言葉を大声で叫ばれたら、近所迷惑どころか変な噂が流れる……よね。
ちくしょう……、カムバック! 僕の平穏!!
「はぁ……」
このままじゃ、僕はため息ばかりして若い内に髪が白髪で埋め尽くされそうだな。
……苦労しているんです。
こんなあほな兄を持つと苦労しか来ない!
あの人はあのまま風呂場で気絶して、救急車に運ばれた後一週間ほど病院生活でもしていればいいんじゃないかと思う。
もしそうなっていれば、僕は非常に助かったのだが。
……でもまぁ、海斗には感謝しなければいけない。
あの時、アイツが僕の家に訪れなければ僕達はあのまま風呂場に閉じ込められていたのだから。
途中で兄さんのアホは気絶してくれたおかげで、特に変な事は起きず。
まぁそれで良かったのだ。
むしろ、危うい事態になっていたら本当に近親相姦だった。
年頃の二人の兄妹が風呂場で間違いを犯す。
……少しリアルで怖いな。
想像したら身震いしてきた。
……今思えば兄さん、あれだけ「心配ない、大丈夫だから」とか言っておいて、逆上せる前に若干鼻の下伸ばしていたからな。
酷い言いようかもしれないが本当にケダモノだな、あの人は。
……うぅ。本当に寒気がしてきた……。
そう言えばだけど、海斗は何か用でもあったのかな?
結局、僕達を助けた後にすぐに家に帰ったみたいだけど。
……やっぱり、昼間の事気にしている……のかな。
僕の方はこんな状況だからか、そろそろ落ち着いてきたところなんだけど。
お互い変に意識していたら拉致があかない。さっき謝れば良かったんだけど、タイミングを逃してしまったし、流石にこの時間帯から電話は失礼だな……。
明日、海斗に会ったらすぐに僕から謝るか。
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