一組の熱い戦い

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  「蛍ぃぃぃぃぃ!! 」   下で僕の名前をさっきから叫びまくっているアホの事は放っておき、僕は就寝についた。     ……兄さんを黙らせる方法、本気で早瀬さんに相談してみるか。                     ――翌日の朝。   学校へ行く支度を早めに整えた後、時間が余ったので僕はダイニングでテレビをつけてニュースを見ながら海斗が家に来るのを待っていた。 いつも登校する際はアイツが僕の家まで来てくれるのだ。 中学から今までずっとそうだった。    決まった時間に絶対に来るはずなのだが……今日はまだ来ていない。   「蛍、そろそろ行かないと遅刻するぞー」   玄関で靴を履いているのだろう兄さんが、声をかけてくる。   「海斗来るまで待っているので、先に行ってくれないですか」   「……ちぇーっ! 実の兄より友達かよ! ちぇーっ!!」   兄さんは拗ねる様な声色で先に家を出た。     ……やれやれ、相も変わらず残念な兄だ。 こうまで我まま且つ変態野郎だと返って清々しいな。……はぁ。     「それにしても来ないな。海斗のやつ、いつまでも気にしすぎだよ。……ったく」     悪態をつけながら、チャンネルを変えていくが朝なのか特に面白い番組等やっておらず、結局僕は初めに見ていたニュースのチャンネルへと戻した。   ……なんだか待っている時間はとても長く感じる。テレビの左上に出ている時間はさっき見た時と変わっていない。一分過ぎる事すら、長い。   ……海斗のやつ、今までずっと時間ぴったりに来ていたのに。そこまで気にする事だったのか?    ダイニングテーブルにうつ伏せになり、「はぁ……」とまた深く溜息を零す。     ……こんなにじんめりした気持ちは久し振りだ。 すごく胸が気持ち悪い。もやもやする。
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