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今の時間から学校へ向かうなら、まだ一時間目の授業に間に合うだろう。
だが、もしそこに海斗がいるなら気まずくなる。正直、学校をサボりたい。
でも、サボったらサボったで凄く後味が悪くなるのだろう。
こういう事は早めに解決したい。
……そう思っているのに、行くのが怖い。
多分、僕は海斗が拒否した態度をとった時に傷つきたくないんだ。
……いや、多分じゃないな。本当にそれが怖く感じる。
――こんなにも僕って心が弱かったっけ?
自分でも意外に思った。
客観的に見たら今の僕は酷く弱った状態に見えるだろう。
現にもうぐったりの状態だ。友達とギクシャクしているだけで、こうもダメになる。
そんなに大した理由でもないのに。
海斗はそんなにまで気にしていたのだろうか。
……よくよく考えてみれば、海斗と気まずくなったのはこれが初めてか。
「はぁ……」
そろそろ学校へ向かわねば、本当に遅刻になってしまうだろう。
それでも、この体は動いてくれない。……動きたくない。
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