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「え、遠慮するよ……」
僕の殺気を感じ取ったのか、兄さんは汗を垂らしながら、恐る恐る引き下がった。
はぁ~……、ホントに疲れる。
兄さんの相手をするのは本当に神経を使ってしまう……。
「できましたよ、兄さん」
僕はようやく出来上がった料理をテーブルへと持っていく。
今日の朝食は、ご飯に味噌汁、それに玉子焼き。
お互いにお箸を持って、「いただきます」を言った後、料理を口に運んだ。
「おいしぃいいイイイイイーッ!!」
「そんな大袈裟な……」
「いや、我が妹の作ったこの玉子焼き。見事な味だ! この塩と砂糖、それにコショウの配分具合が絶妙なくらいにいい味を出している!! 俺は感動した!」
本当に大袈裟な言い方だ。
ただの玉子焼きなのに。
まぁ、悪い気分にはならないので、いいのだが……。
「ねぇ、兄さん」
「なんだ? 我が……愛しの嫁よ」
兄さんのその呼び方に即座に突っ込もうとしたが、我慢する。
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