脅威のランジェリー

14/28

3632人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
  ピンポーン!     インターホンが鳴る。 きっと、海斗が来たのだろう。 まだ靴を履き終えていない僕は少し焦ってしまう。   「兄さん。先に出て、海斗と待っていて!」   「おう、わかった! 早くしろよ! でないと……――」   「いいから早く行ってください……」   「ちぇ~! 冷たいな~、蛍ちゃんは」   兄さんが文句を言いながら、玄関の扉を開けて先に外へ出る。 靴の紐を結び終えて、僕も扉を開けて外へと出た。                   海斗は大きな欠伸をしながら、兄さんと挨拶を交わしていた。 僕は玄関の鍵を閉めて、二人の方に駆け寄る。   「おはよ、海斗。……なんだか、眠そうだね」   「ああ、昨日は色々あって、なかなか寝ることができなかったからな~……!」   海斗が僕の顔をニヤリと見て、言う。 これは僕のせいだよな……。 うぅ……、面目ないです。   「ご、ごめん……」   「あははっ、冗談だよ! 気にするな! それよりさ……――」   海斗の目線が僕の頭の両サイドへと向けられた。 その目はまるで何か珍しいものでも見たように、瞬きをピクピクと何回もしている。   あぅ……。 頼むから、そんな目で僕を見ないで。   
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3632人が本棚に入れています
本棚に追加