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「ど、どうですか? ぼ……その、私のサイズはどれくらいなんでしょうか?」
声をガチガチに震わせながら、店員さんに話しかける。
そうでもしないかぎり、こちらの身がもたなかった。
「とても豊かな大きさですよ。羨ましいくらいです」
店員さんは僕の言葉がおかしかったのか、笑いながらそう答えてくれた。
はぁ~……、やっぱり大きいんだ。僕の胸って……。
つい複雑な気持ちに浸ってしまう。
「はい、測り終えました。もう、服を着ても大丈夫ですよ」
「あ、ありがとうございます。えーとその、サイズの方は?」
「はい。バストの方は86です。次にウェストは……――」
店員さんから、サイズを聞いてそれを暗記しておく。
……うぅ、恥ずかしいな。
「そ、そうですかっ。すみません、どうも」
僕は顔を赤らめながら、店員さんにそう言った。
店員さんは笑いながら、「また何かあったら、声をかけてください」と言い残して、試着室から出て行った。
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