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ついにとうとう、この日がやってきました。
……そう、始業式!
学園側には前もって、事情を説明しておいたからいいものの。
果たして、これから本当に、女の姿のままで学園生活をうまくやっていけるのだろうか?
ああ、不安の種が多すぎて、もう考えるのが嫌になってくる。
「はぁ~……」
風見学園女子生徒の制服を着た自分の姿を鏡に映して、僕はため息を吐き出した。
この数週間、ジュースの効力が切れる気配はまったくと言ってもいいくらいになかった。
しかも、お父さんの出張がどうやら延びてしまったらしく、当分、家に帰って来れそうにもないらしい。
はぁ~。鬱だ。
なんて鬱な気分になるんだろう。
……ああ、なんだか、また現実逃避したくなってきた。
だいたい、学園側もなんであっさりと事情を受け入れてくれたんだ?
確かに、受け入れてもらった事には感謝しているのだが、男が女となって、学園に登校する事って、安易に認められる事じゃないだろう。
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