『美少女』っていうのは辛いもんなんですね

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  男子生徒達に見られながらも、学園へ向かって歩く事、10分。 これから、毎日通う事になる風見学園。 ……もとい、「私立風見ヶ丘学園」に着いた。 学園の正門を、ささっと通り、僕はクラス発表が張り出されている掲示板へ向かった。     「おい! 見ろよ、あれ!」     掲示板へと向かっていく中、一人の男子生徒が僕を見て、声をあげた。 それが周りの生徒へと伝わり、僕の方へと振り向いていく。     「うおっ! か、可愛い~!」   「……すげー」     「そこらのアイドルも顔負けだな、あれは」     男子生徒のギラギラした視線が浴びせられる。   あぅ……、またですか。     「スタイルすごく良いなぁ~、あの子」   「う、羨ましい……」     男子生徒に混じって、女性生徒からの視線も浴びせられた。   こ、今度は女の子から……。 ……僕は男ですよ。   「はぁ~」   軽い嘆息をする。 どうやら、見事なまでにこの容姿は目立っていた。 僕は周りから、ざわざわと聞こえてくる声を、聞こえないよう振りをして、掲示板へと歩いていった。  
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