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「あ、おはよう」
「もう、見たのか? 蛍は何組だったんだ?」
「うん、……一組だよ」
「へぇ~、そっか」
会話をしながら、海斗が掲示板に張られた、クラス発表の紙を見る。
「あっ、海斗、僕と同じクラスだよ」
「おっ、そうなんだ! ありがとな、俺の分も見てくれて」
そう言って、僕の頭を二回撫でた。
「こら。撫でるな」
「わりぃ、蛍の背が小さくなったから、つい」
笑いながら、からかう海斗に、僕は「う、うるさいな~!」と小言を漏らした。
海斗がゆっくりと、口を開く。
「まぁ、なんだ……。よろしくな、蛍」
「うん、よろしくっ!」
僕と海斗は握った手と手をお互いに軽く当てた。
「な、なんだ! あの爽やかな笑顔をした野郎は……!」
「……羨ましい」
「ち、ちくしょぉおおおーッ!」
「あーあ、やっぱり彼氏いたんだな~……」
後ろでは、かなりの数の男子生徒が悔しげな、または怒りの顔を浮かべて、僕達を見ていた。
……はぁ~。
なんか、すごく勘違いしているよ。
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