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……なんだか、しんみりした話になってきているので、この話はここで止めておこう。
話が脱線してきている。
この時間帯は、普段は僕よりも兄さんが早く帰ってきているのだが、今日は生徒会が長引いているのか、家にいなかった。
「喉渇いたぁ~。海斗、何かジュースでも飲む?」
「いや、俺は喉乾いてないし、遠慮しておくわ」
「おっけー」
海斗がチェスの準備をしている中、僕は冷蔵庫から何か喉が潤う飲み物がないか探した。
冷蔵庫を開いた手前に一本の赤いビンがあり、僕はそれを手にする。
……赤色のビンの中には、美味しそうな色のジュースが入っていた。
お茶もないし、まぁこれで我慢しようかな。
僕はそれを手にして、椅子に座って待っている海斗の方へと向かった。
「へぇ~、なんか珍しいな。今時、ビンって……」
海斗が僕の持っているビンを見て、言う。
……言われてみれば、確かに珍しい。
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