『美少女』っていうのは辛いもんなんですね

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  「……今晩、一緒に寝るって事に――!!」   「そっちの方が余計危ないですよっ! なんで、難易度を上げたんですか!?」   「ぶぅ~! 蛍は本当にケチだなぁ~!」     ……ケチとか、そういう問題じゃありません。   「せっかく、バイトを出来るように頼んであげたのにさ~」   「それについてはちゃんと感謝していましよ。そんなに駄々をこねないでください、兄さん」   それでも、「むぅ~……」と頬を膨らまして、納得のいかないような眼差しをこちらに向ける兄さん。   ……そんな目を向けても、駄目ですって……。   はぁ~……。       「……蛍よ」       兄さんが、拗ねた顔をやめ、今度は野心めいた瞳で僕を見つめてくる。   「今度は何ですか……?」   ため息をつきながら、僕がそう聞くと、兄さんは何故か、威張った様子で答え始めた。  
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