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「は……だか……エ……プロ……ン」
まるで、死にかけ寸前に最後の言葉を言い終えた人……のような、そんな掠れ声で兄さんが僕に言いかける。
兄さんの顔は、まさに死人のようだった。
「ひ、ひぃ……っ!」
あまりの不気味さに、僕は思わず、後ろに引き下がってしまった。
は、はぅ……兄さん!
それ、ホラーです!
ジャンルが違いますよっ!
「は……だか……エプ……ロ……ッ」
もう一度、裸エプロンの名を言った瞬間、兄さんはぐったりと地面に倒れこんだ。
ああ……。
本当にこの場面から、見た人は確実に誤解するだろうな……。
「に、兄さん……、現実に帰ってきてください」
そう言いながら、僕は兄さんに恐る恐る近づいていった。
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