『美少女』っていうのは辛いもんなんですね

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  「あっ……蛍……っ」   「ん、何ですか……?」   「あ、兄の頭を……撫でるな」   「どうしてです?」   そう聞きながら、兄さんの顔を覗いてみると、紅葉した葉っぱみたいに顔を赤くさせていた。   ……まさか。   兄さん、もしかして……照れてる?   「ねぇ、兄さん。……顔、赤いよ?」   「……それは蛍の気のせいだな」   兄さんの返事には、いつものような余裕が、こもっていなかった。   ……やっぱり、照れてるんだ。       「えへへ……♪」       僕は、少し口元を緩ませて、軽く微笑んだ。       兄さんの照れた顔を見るなんて、子供の頃以来だ。 ちょっと、兄さんの意外な面を見たかもしれない。   僕は苦笑しながら、兄さんの頭を撫でていた手を、そっと離した。   「これで、さっき僕が言いすぎた分はチャラ……ですよ? 兄さん」   「あ、……ああ」  
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