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僕は苦笑しながら、彼女にそう言った。
佐倉 唯さん
この学園で、初めてできた女の子の友達。
すごく優しい子で、何かあるたびに心配してくれる。
僕の知っている人の中で、数少ない良識のある人だ。
こんな良い女の子と友達になれた事に、本当に感謝したい。
ありがとう、神様……!
「もう時間だから、佐倉さんは先に行ってて!」
「え……? でも……」
佐倉さんは、僕の顔を見て、心配そうな表情をする。
「保健室に行くだけなら、一人でも大丈夫! だから、佐倉さん、先に行って。もうすぐ、チャイムが鳴るし、このままだと遅れちゃうよ?」
「……わかったわ」
佐倉さんは、渋々と納得するも、まだ僕の事を心配してくれているのか、僕の方をチラッと見た。
そして、思い残したような顔をしながら、更衣室を出て行った。
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