保健室☆パニック

12/27
前へ
/161ページ
次へ
  「おいおい……、保健室に行った方がいいんじゃないか? 俺、先生にちょっと事情を話してくるよ」   一人の男子生徒が、体育の中島先生に向かい、事情を話している。 そして、話し終えたのか、海斗の所へと戻っていく。   「椿、先生から許可をもらってきたぞ」   「そうか。ありがとな、谷山」   谷山と呼ばれた生徒は海斗のお礼に対して、ニコっと笑う。   「気にすんな! つか、きつかったら、一緒についていこうか?」   「いや、大丈夫。そこまで痛くないし、向こうで湿布でも貼ってもらえば、すぐに治るよ」   「そうか……。なら、気をつけてな!」   「ああ。それじゃあ、行ってくる」   海斗は、谷山君が「おうっ」と言うのをちゃんと聞き終えると、ゆっくり歩きながら、運動場から出て行った。           「ふぅ……」   僕はカーテンから、離れた。 ……海斗達のやりとりを見ていたために、さすがに見過ごす訳にはいかない。   「海斗、足捻ったんだよね……。……仕方ないか」   そうぼやきながら、湿布と包帯を探していく。  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加