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「……あれ? 蛍、お前もどこか悪いのか?」
海斗は話しかけながら、僕が座っている椅子の前側の席へと座りこむ。
僕は頷きながら、返事をする。
「う、うん。……ちょっと、体調を崩しちゃってね」
僕の答えに、海斗がじっくりと目を見つめてくる。
何故だか、海斗の顔はニヤニヤと笑っていた。
「……本当は、女子の体操服を着たくなかっただけじゃないのか?」
「う……」
思わず、顔をしかめてしまう。
あまりにも図星だったために、言葉が出ない。
うぅ、……鋭い奴め。
「ほ、ほら! そんな事は置いといて……、足捻ったんだよね?」
これ以上、この話を続けられると、海斗にもっとからかわれると思った僕は、すぐに海斗の怪我の話へと切り替えた。
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