3633人が本棚に入れています
本棚に追加
「え? あ、ああ。……なんで、知っているんだ?」
「えへへ、そこの窓から外を眺めていましたから」
「ちぇ、蛍にドジった所を見られてしまったか」
海斗が子供みたいに少し拗ねた顔を見せたので、僕はつい笑ってしまう。
「ほら、足見せて。湿布貼ってあげるから」
「ああ」
海斗が長ズボンの裾を捲り上げる。
見たところ外傷はなく、腫れているところも特に見当たらない。
どうやら、本当にただ足を捻っただけのようだ。
捻挫や骨折じゃなかったので、ひとまず安心した。
「どこが痛いの?」
「ここ……かな」
海斗が指差した箇所に少し触れてみる。
「ここ……?」
「っ……!」
触れた瞬間、海斗が顔を歪ませたので慌てて、手を離す。
「あっ、ごめん。……痛かった?」
「ああ……、少しな」
海斗の言葉を聞きながら、湿布のペーパーを剥がしていく。
「……ん。それじゃあ、湿布貼っていくから、じっとしててね」
「ああ、よろしくな」
最初のコメントを投稿しよう!