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湿布をゆっくりと慎重に痛む箇所へと貼っていく。
「っ……ぁー……!」
「海斗、……痛む?」
「い、いや、凄く冷たくてさ。ちょっと、びっくりしただけ」
「そっか。ならよかった」
湿布を上手く貼り終えた後、張った箇所に取れないよう、包帯を丁寧に巻いていく。
「きつくない?」
「ああ、大丈夫だ」
海斗は、大丈夫だ、と言いながらも少し痛むのか、我慢している顔をしていた。
昔から、我慢強いというか強情というか……。
「なぁ、蛍」
「ん? 海斗、何?」
「最近さ、蛍、バイト始めたのか?」
「あ、うん。そうだけど……」
海斗の質問に、僕は顔をキョトンとして、答えた。
海斗の言うとおり、僕は五日前から、前に広告でアルバイトを募集していた喫茶店『ARMA』のウェイトレスとして、アルバイトをしていた。
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