保健室☆パニック

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  湿布をゆっくりと慎重に痛む箇所へと貼っていく。   「っ……ぁー……!」   「海斗、……痛む?」   「い、いや、凄く冷たくてさ。ちょっと、びっくりしただけ」   「そっか。ならよかった」   湿布を上手く貼り終えた後、張った箇所に取れないよう、包帯を丁寧に巻いていく。   「きつくない?」   「ああ、大丈夫だ」   海斗は、大丈夫だ、と言いながらも少し痛むのか、我慢している顔をしていた。   昔から、我慢強いというか強情というか……。     「なぁ、蛍」   「ん? 海斗、何?」   「最近さ、蛍、バイト始めたのか?」   「あ、うん。そうだけど……」   海斗の質問に、僕は顔をキョトンとして、答えた。   海斗の言うとおり、僕は五日前から、前に広告でアルバイトを募集していた喫茶店『ARMA』のウェイトレスとして、アルバイトをしていた。  
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