保健室☆パニック

19/27
前へ
/161ページ
次へ
  「我慢なんかしてない。本当に大丈夫だって言ってるだろ……っ」   「我慢してる。それに……授業に戻ったところで見学しかできないよ?」   「それは……そうだけど……」   僕の言葉に理があったために、海斗が口ごもりだす。   「だろ? だから、この時間はここにいなさい」   「……はぁ、わかったよ」   海斗が降参して、扉へ向かおうとした足を引き返す。 それを見て、僕も海斗の腕を掴むのを止めて、手を離した。   「やっぱり……、口じゃあ、蛍には敵わないな」   「……別にそんな事ないと思うけど」   「そんな事あるよ、……くっ……!」   再び、海斗が痛そうな顔を浮かべる。 無理に歩いたせいか、痛みが増してきたのかもしれない。   「ほら、手を貸すよ」   「悪い……」   海斗の手を持ってやり、先導してゆっくりと手を引いてやる。  
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3633人が本棚に入れています
本棚に追加