異形の歌姫

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ざちょうさんはとびらのまえでたちどまり、大きなこえでこう言った。 「おおい、おおいおまえたち。あたらしいともだちがやってきたぞ」 ざちょうさんはとびらをあけた。 中はろうかよりもっとくらくて、わたしでもなにも見えない。 「入ってごらん」 ざちょうさんはやさしくかたをたたいてくれた。 わたしはいっぽ、中に入る。 「ああかわいそうな女の子。きょうからきみも『おともだち』」 へやのすみからこえがした。どうじにとびらがしめられる。 「トイフェルや。いい子のトイフェル。おともだちとなかよくしなさい」
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